不妊治療について
- 1. 当院が目指している不妊治療
- 2. 西洋医学の治療との違い
- 3. 妊娠しやすい母体づくりに必要な事
- 4. 治療の期間・間隔、妊娠後のケア
3. 妊娠しやすい母体づくりに必要な事
当院では基本的に妊娠しやすい母体づくりとして、「冷え」と「お血」を改善する事、具体的には「基礎体温を高める事」と「生理トラブルの解消」という2つが大事な条件と考えています。
みなさんは体外受精に用いられる受精卵の培養器が、望ましい子宮環境として「37℃」に設定されている事を知っていますか?
基礎体温を測っている人も多いかと思いますが、不妊症で悩まれている方は体温が低い事が多いです。
良質な卵子を育てるためには、高温期で37℃、低温期でも36.5℃程度まで体温を高くする事が大切になります。
また冷えやすい人の中でも、特に手先や足先が冷えやすい人や、下半身は冷えて上半身が熱いのぼせ状態になっている人は、お血が溜まっている事が多いです。
お血とは正常な機能を果たせなくなった古い血液の事で、体内に溜まると毒素になるので排出を促す治療も大切になります。
基礎体温表を3か月ほどつけてみると自分の傾向が分かるようになるので、1つの目安として利用してもらえればと思います。
ただ低温期と高温期がはっきりと分かる理想的なグラフになる事は少ないですし、ストレスや睡眠不足でもバラつきが出ます。
傾向をつかむ事が目的なので、あまり神経質にならないように注意しましょう。
また不妊症に悩まれている女性の多くが生理トラブルを抱えています。
生理は健康のバロメーターと昔から考えられているので、慢性的に生理トラブルを抱えている、もしくは順調だった生理が乱れた時は、何か不調が起きているというサインと捉えて治療すべきです。
生理周期が長い・短いといった不順はストレスや急激な体重の増減でホルモンバランスが乱れている事が多いですし、生理痛が辛い人やPMS(月経前症候群)がある人は、お血が溜まっている証拠と言えます。
もちろん人の体は機械ではないので、無理をした後などに生理トラブルが起きる事は良くあります。
ただ1度きりだからと無視したり、慌ててホルモン治療を行ったりするのではなく、生活習慣を見直すタイミングと捉え、しっかりと体を休められるようにしましょう。
そうする事で正しい生理周期となり、ホルモン分泌が正常に行われるようになります。
また生理痛やPMS,多嚢胞性卵巣、子宮筋腫などの症状も一緒に改善される事が多いです。
これらの不調を改善していく事で、良質な卵子を育てられる環境が整い、赤ちゃんにとっても居心地の良い体、妊娠しやすい母体づくりになっていきます。