不妊治療について
- 1. 当院が目指している不妊治療
- 2. 西洋医学の治療との違い
- 3. 妊娠しやすい母体づくりに必要な事
- 4. 治療の期間・間隔、妊娠後のケア
4. 治療の期間・間隔、妊娠後のケア
どれくらいの期間で効果が出るのかは気になると思いますが、妊娠を望む方お一人お一人が超えるべきハードルの数が違うので、妊娠・出産に至るまでの期間も違います。
早ければ2~3か月で効果が現れる人もいますし、半年~1年、それ以上の時間が必要になる場合もあります。
ただ1つの目安として、妊娠できる卵子に育つまでに「原子卵胞→1次卵胞→2次卵胞→前胞状卵胞→胞状卵胞→排卵前の成熟した卵胞」という過程を200日程かけて成長していきます。
早く効果が出てほしいと願う気持ちはわかりますが、良質な卵子が成長している途中で治療をやめてしまうのはもったいないで、すぐに妊娠・出産に至らない場合でも、半年~200日程度は治療を続けて頂く事をおすすめします。
「治療の間隔はどれくらいがいいですか?」と聞かれる事がありますが、1週間~10日に1回以上のペースで治療を受けて頂くと効果が出やすいです。
また体外受精を行う前後など、治療を受けた方が良いと言われるタイミングもあります。
体外受精後にできた受精卵を体内に戻す「胚移殖」をする場合、移殖に前後(前後1日か当日)に鍼灸治療を行うと着床率が高くなりやすいです。
何も治療を行わなかった場合では22%だった着床率が、移殖前後に治療をすると36%になったという研究も発表されています。
ただ妊娠しやすい母体づくりは一時的な治療ではなく、毎日の生活習慣と治療の積み重ねによって作られます。
定期的な治療にプラスして、移殖前後に治療を受けて頂く事をおすすめします。
また妊娠が治療のゴールではなく、元気に出産を迎え、健康に子育てをする事がゴールだと考えています。
妊娠期のつわり、逆子の治療、産前産後の腰痛、産後うつなど、妊娠した後も鍼灸でサポートできる症状はたくさんあります。
母体を良好な状態に保つ事は流産や死産といった不育症の改善にも繋がりますし、セルフケアとしてご自宅で出来るお灸の指導も行っています。
赤ちゃんを授かるためには、妊娠しやすい母体をつくりながら「粘る」事も大切です。
自分の体を労わって、歪の少ない調和のとれた状態になれば、赤ちゃんにとっても居心地の良い体になっていきます。
皆さんの赤ちゃんが欲しいという気持ちに少しでもお力になれるよう、真剣に治療に向き合っていきます。